2013年からイラストレーターをしております、ちのです。
私は元々は会社員デザイナーとして5年ほど働いていたのですが、過労による体調不良がきっかけで働きかたをみなおし、フリーランスのイラストレーター・デザイナーとして、自分のペースで在宅で働いています。
よく、どうやってイラストのお仕事をしているの?と聞かれることが多いので、イラストレーターのお仕事を始めるまでに私が具体的にしたことについて、まとめてみようと思います。
これからイラストレーターやフリーランスのクリエイターを目指す人の参考になればうれしいです。
イラストレーターってどんな仕事?
イラストレーターのお仕事は、企業などクライアントから依頼を受け、要望に合わせたイラストを制作するお仕事です。雑誌の挿絵やポスター・チラシ・看板などの広告、商品のパッケージ、WEBなど活躍できる媒体は様々です。
基本的にイラストレーターはクライアントからの希望に沿ったイラストを制作するため、自分の描きたいものだけを描くのはイラストレーターではなく、画家やアーティストになります。
美術系専門学校卒業後、会社員デザイナーに
高校卒業後は美術系の専門学校に入学。そこでデザインやイラストの基礎を勉強をしました。
卒業後はイラストレーターになりたかったのですが、イラストレーターは正社員の募集がほぼありません。
私はいきなり新卒でフリーランスになる度胸はなかたったので、まずは社会勉強だ!と思い、イラストが使われる現場でもある広告制作会社に新卒でデザイナーとして就職しました。デザインのお仕事がメインでしたが、簡単な挿絵などは自分で描くこともあり、イラストのお仕事もできてとても楽しかったです。
けれど、プロフィールにも書いたのですが、残業続きで体調を崩したのをきっかけに働きかたや仕事を見直し、会社を辞めてイラストの仕事を始めようと動き始めました。
体調は崩してしまったのですが、会社員として実際の制作の現場を見れたこと、自分からイラストレーターさんにお仕事を依頼する経験ができてよかったです!
イラストのスクールに通い直す
会社で働きながらパレットクラブに通い始めました。
パレットクラブでは、毎週様々なプロのイラストレーターやデザイナーの講師が入れ替わりで指導が受けられ、より実践的なイラストを学ぶことができました。
授業は土日にあり、毎週課題が出されるので、平日仕事の後にイラストを描くのがものすごく大変…!時には制作したイラストに厳しいご指摘をもらったり…。
それでも、プロの現場の方たちの話や、同じくイラストレーターを目指す友達に出会えたのでとても良い経験になりました。
スクールでは会社でお仕事をしながら通っている人がほとんどでした。私も頑張らねばと、良い刺激をもらっていました!
本やネットで調べまくる
実際にイラストレーターの仕事をするにはどうやって営業すればいいのか、会社辞めた後の手続きは何をすればいいのか、本当に何もわからなかったので、ネット検索や本でもたくさん調べました。
事務手続きやらフリーランスの心構え、体験話などなど…。
フリーランスになるにあたって、情報収集能力は超重要です!! 今でも常にアンテナを張っています。
あとは実際にフリーランスイラストレーターとして活躍している方のWEBサイトもたくさんみて、どんなイラストを描いたらいいか、どんな見せ方をしたらいいのかを勉強しました。
そんな感じで一つ一つ知識をつけて、フリーランスになってからの営業や戦略、会社を辞めた後の生活を考えていきました。
セミナーや交流会に参加する
勉強会やセミナーも検索すればたくさん見つかります。
私は独立前と独立直後、フリーランスセミナーや、クリエイター系の交流会に参加していました。
まわりにフリーランスとして活動している人がいなかったため、実際に活動している人の話を聞けるのは貴重でした。
そこでデザイナーさんとも繋がることができて、お仕事をいただいくこともありました。
ちなみに私はイラストのミニパンフレットを作って名刺交換とともに配っていました!その場で見てもらえるのでおすすめです!
お金の勉強・準備をする
会社員だった頃はお金の話は疎くて、本当に何も知りませんでした。フリーランスになってから自分で調べて、少しだけお金のことを考えられるようになりました。
年金・所得税・健康保険・生命保険・事業税・源泉徴収・確定申告 などなど…
調べて理解するのは難しくてめんどくさいですが、知らないと損することがたくさんあるので、どんどん勉強することをお勧めします。
知らないっていうことはリスクになるよ!と、とある方に言われた時にハッとしました…!
営業の準備と私の営業方法
ポートフォリオを作る
まずはポートフォリオ!
私は20pのクリアファイルに1枚1枚印刷・ファイリングしたものと、ミニパンフレットを印刷しました。
ファイルの場合は、背表紙に自分の名前(作家名)と自分の絵のシールを張り、本棚に入れた時に目立ちやすくしています。営業する相手によって中ページも少し変えながら。
今はメールなどでPDFデータで送ることがほとんどなのでデータも準備。
イラストが映えるようにシンプルなレイアウトで作り、自分の自信のあるイラストに厳選、カラーだけじゃなくモノクロや2色のものも載せて。タッチやイラストのジャンル、オリジナル・仕事用イラストなどにカテゴリ分けするとより見やすくなります。
ちなみにお仕事経験がない場合は、雑誌のカットなど自分で想像して作ったものを載せるのもいいかもしれません。
実際にお仕事を頼んだら、どんな仕上がりになるのかをわかりやすく見せること、自分のイラストの強みがわかるように見せることがポイントです。
名刺を作る
名刺にはこんな項目を入れました。
- 名前
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所(一人暮らしの女性は注意!)
- 自分の作品をまとめたポートフォリオサイト
- 自分の所属団体(あれば)
- 自分の作風がわかるイラスト
住所に関しては、入れたほうが信用度があがるとは思いますが、女性の一人暮らしの方などはリスクもあるので、実際に取引をするまでは知らせない方がいいかも。
私は交流会やセミナーなどで会った人には住所なしのもの、実際にお仕事をする相手に渡す様に住所ありのものと、2種類用意していました。
あとはバーチャルオフィスなどを契約して、住所をその場所にする方法もあります。
自分のポートフォリオサイトはURLの表記の他に、QRコードを入れてすぐにアクセスできるようにしています。
QRはネットで検索すると無料で作れるサイトがあり、すぐに簡単に作成できます。
その他に、渡した時に一瞬で自分がどんな絵を描いているのかわかる様に象徴的なイラストを盛り込むなど、工夫して作成しています。
WEBサイトを作る
ネットでイラストレーターを探したり、SNSだけじゃなく、WEBサイトがあると信用度も上がるので、フリーランスとして活動するのであればWEBサイトは必須だと思います。
WEBサイトはWordPress等で独自ドメインで作るのが一番良いと思いますが、少し知識がないと難しい…!
私は当時、イラストレーターやフォトショップを使ってビジュアルは作れるのですが、WEBサイトを作る知識が全くなかったので、最初は「Jimdo」というサービスを使ってサイトを作りました。
「Jimdo」は、WEBの知識がなくてもテンプレートから簡単に、しかも無料でWEBサイトを作ることができます。私は独立当初は無料のプランから始めて、2年目に有料のプランにアップデートしました。このお仕事のWEBサイトがJimdoで作っています。
Jimdo以外にも、Wixなど、簡単にWEBサイトが作れるサービスがたくさんあります。
いろいろあるので試してみて、自分に合うものを選ぶのがいいと思います。
それでも難しければインスタグラムなどSNSから始めるなど、駆け出しの時期はお金もないと思うので、できることから。とりあえず作ってみることが大事だと思います。
営業先を探す
自分の好きな雑誌や書籍の出版社など、実際にお仕事をしてみたい企業を探します。
私はネットで広告制作会社やデザイン事務所を探したり、本屋三谷図書館で書籍や雑誌の奥津けを見て出版社やその雑誌を制作している会社を調べ、エクセルで営業リストでまとめておきました。
メールや電話でコンタクトを取る
コンタクトは電話アポもやったのですが、ほぼメールで連絡を取っていました。電話ってすごく緊張してしまうし、嫌がられるかなぁと思ってしまって…。それに今は在宅ワークをされている方も多いので、メールの方がいいのかなと個人的には思っています。
ほぼスルーされるのですが、そこは気にせずにいろんな企業様に送りました。
あとは、イラストレーターの外注募集をしている企業もあるので、そういうところに応募したりもしました。
希望を聞いて、現物の方がよければファイルを作って送ったり、直接会えそうな場合はアポを取って対面でポートフォリオを見てもらったりもしました。
ミニパンフレットやポートフォリオを送付する
ミニパンフレットを作って、特に連絡せずに色んな会社に送ることもしました。そこで何件はは実際に仕事をいただくこともできました!
イラストレーターズ通信に登録する
イラストレーターズ通信とは、プロのイラストレーターさんを検索作できるサイトです。
私は独立後すぐに登録させていただき、今も会員としてお世話になっております。
理由は、自分がデザイナーだったときに、実際にイラストレーターを探す時に利用していたからです。他にも私の周りのデザイナーさんも利用していると言っていました。
入会するには審査や基準があり入会金も必要なのですが、入会すると自分のイラストを掲載できることの他に、会員限定の掲示板で仕事の相談ができたり、主宰の森さんのイラストレーターの講義が読めるので、メリットは十分あるのでオススメです!
まわりの人に独立することを言いふらす!
私は会社をやめてイラストレーターとして独立することをいろんな人に言っていたのですが、それを聞いた会社の元先輩が、独立後の仕事を振ってくれたり、別のデザイナーさんも紹介してくれました。
会社の上司や同僚も独立後にも仕事をいただけて、本当にありがたかったです!
イラストエージェントに登録する
イラストエージェントとは、イラストレーターのマネジメントやイラスト制作のお仕事をディレクションしたりしていて、企業からの依頼を受けて、イラストレーターにお仕事を紹介してくれます。個人では受けられないような案件もたくさんあるので、登録しておくと大きなお仕事のチャンスがあるかもしれません。
デメリットは、多くのイラストレーターが登録していてライバルが多いので、ある程度実績がないと厳しいこと、登録には審査があること、実際にお仕事をした際には、エージェントにも料金がかかることなどです。
これから目指す方に向けて
私がイラストレーターのお仕事をするまでにしたことはこんな感じです。
正直とても時間はかかりましたが、根気強くやっていくうちにだんだんお仕事をいただけるようになりました。
イラストのお仕事は単発のものが多いので、なかなか安定せず稼ぐのが難しいお仕事ですが
- 他人と比べて焦らないこと
- 普段から綺麗なもの、感動するものをたくさん見ること
- たくさんイラストを描くこと
- 地道にコツコツ続けること
こんなことを頭に置きながらやっていくことが大事なんじゃないかなと思っています。
私の経験談ですが、誰かの参考になれば嬉しいです!私もこれからもコツコツ頑張っていきたいと思います。